機能評価部門
大阪大学
接合科学研究所
3.摩擦攪拌接合部の特性評価技術の確立
接合が困難とされた鋼の摩擦攪拌接合技術を確立し、これを用いて、炭素鋼、ステンレス鋼、高張力鋼、超微細粒鋼などの摩擦攪拌接合を行った。組織の不均一性、非対象性および変態に伴う組織の変化に着目し、溶接部の破壊挙動を解明するとともに、強度向上のための手法を提案した。また、工業用純Ti、Ti-4V-6Al合金、モリブデンなどの高融点金属の摩擦攪拌接合技術を確立し、現時点で、世界で最も高い融点(2620℃)を有する材料の摩擦攪拌接合に成功している。レーザと組み合わせたハイブリッド摩擦撹拌接合法やショルダとプローブが別に駆動する複動式摩擦攪拌接合法を開発し、接合部終端部に穴の残らない手法を確立した。さらに、炭素鋼をA1点(723℃)以下で接合する手法を開発し、炭素量に関係なく、接合する技術を確立した。本技術は、接合が困難なことから、これまで低炭素鋼しか用いることのなかった自動車業界等から大きく注目されている。これらの研究は、主に,科学研究費補助金基盤研究BおよびグローバルCOEプログラムの成果である。