図に示してあるのはメンジャースポンジと呼ばれるフラクタル構造の一種です。その作り方を説明しましょう。はじめに基本となる立方体を3´3´3個に等分割し、面の中心および構造の中心から合計7個の小立方体を抜き取ります。残りの小立方体に同様の操作を繰り返していくとき、その数がn回であればフラクタル構造はステージnであると称されます。ステージ数が大きくなると、メンジャースポンジの大きさは変化しないのに、内部の構造がどんどん複雑になっていきます。このとき、フラクタル構造を構成している物質の体積は減少していくのに対して、表面積は増えていきます。ここで、フラクタル次元と呼ばれる複雑さを定量的に示す指数を計算してみましょう。いずれのステージにおいても、立方体の分割数はS = 3であり、小立方体の残存数はN = 20です。一般にフラクタル次元はD = logN / log Sで計算できるので、図に示したメンジャースポンジの場合はD = log 20 / log 3 = 2.73となり、2次元と3次元の中間的な次元となります。ステージ数が変化してもフラクタル次元は一定であり、自己相似性が常に保たれることを意味します。