化学工業日報 2008年(平成20年) 10月 09日(木曜日)
科学技術振興機構(JST)は8日、ホソカワ粉体技術研究所(向坂保雄代表取締役、本社・大阪府枚方市)に委託して開発していた「界面構造制御による燃料電池低温セル」を成功と認定した。これは、大阪大学の野城清、内藤牧男両教授の研究成果で、06年から3年間にわたって企業化開発を進めていたもので、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の酸素ガス側の空気極、電解質、また水素ガス側の燃料極のうち空気極材料の製造コスト引き下げを図るため、独自の粒子界面構造制御法を用いて開発した。
SOFCは、作動温度が800度C以上と高いため、材料が高コストとなるうえに、寿命低下を招いている。このため、作動温度の引き下げを図る技術開発が進められてきた。ホソカワ粉体技術研究所は、700度Cで作動するSOFCの製造コスト低減をねらいに実用化に向けた開発を行ってきた。
同社は、特殊な回転機械のなかで、空気極の原料粒子を攪拌し、粒子界面に圧縮力や剪断力などの機械的エネルギーを与えて、新しい特性を有した複合粒子を合成した。この複合粒子を用いて、高活性な空気極材料の開発を実現した。また、燃料極と電解質の共焼結・連続製造技術を開発、セルの全体コストの低減に成功したもの。
試作したSOFCを単セルで評価したところ、1平方センチメートル当たり0.4ワット以上の出力が得られることが確認された。SOFCは、700度C以下の作動温度では低すぎてセルの内部抵抗が増大し、発電性能が低下することが課題になっていた。今回の成果は、SOFCの低温作動と本体のコストダウンを両立するものであり、実用化への大きなブレークスルーとなりそうだ。
JSTが成功認定
界面構造制御
で空気極材料