グリーン造形学分野
環境・エネルギー問題が地球規模で深刻化する中、本研究分野では環境負荷を大きく減らすようなグリーンプロセス技術の研究開発に取り組んでいます。特に、機能発現の要素となるナノおよびマイクロ粒子に着目し、それらのボトムアップ合成法、およびそれらをビルディングブロックとして所望の2次元、3次元形状に積み上げる造形法の開拓を進めています。さらに、本研究分野で開発されたグリーンプロセス技術を用いて、環境・エネルギー関連材料およびデバイスの創製も行っています。
1、水-相界面を利用したナノ・マイクロ粒子のグリーン合成
2、細孔内ダイナミクスを刺激する微粒子グリーン造形
3、ナノ・マイクロ粒子を用いたエネルギー変換
4、多次元造形粒子を用いた循環型・環境浄化技術の開発

(上)還元剤フリーな貴金属ナノ粒子の合成
(中)酸化物粒子の形状制御
(下)ハイエントロピーナノ材料の合成

(上)ダイレクトライティングによるナノ粒子インクの直接描画
(左下)貴金属ナノ粒子の可視光直接描画
(右中)ナノ粒子の水熱成膜
(右下)磁場下での磁性ナノ粒子の自己集積
積層造形学分野
積層造形法は、任意形状の2次元断面を積み重ね、複雑形状の3次元構造を形成する先進プロセスである。本研究室では、金属やセラミック微粒子を分散した樹脂ペーストを素材とする、独創的なアディティブ・マニュファクチャリングを考案し実践している。サブストレート方式では、微粒子ペーストを平板上に塗布し、高輝度レーザ走査により断面を描画しつつ積み重ね、層間接合することで実用材料の構造体を作製する。デポジション方式では、微粒子ペーストをプラズマやガスフレームなどの高温熱流へ導入し、部材表面へ吹き付けて肉盛溶接を繰り返しながら、複合組織や凹凸模様を作製する。磁気デバイス・電力モジュール・熱コンバータ・音響モジュレータ・振動アブソーバなどのエネルギー制御構造や、流体フィルタ・研削ツール・生体インプラントなどのマテリアル制御構造の研究開発を進め、持続可能な社会発展に貢献したい。
1、ナノ微粒子造形プロセスにおける接合機構の解明と高精細化ならびに高速化の両立
2、微粒子造形を用いた電磁波デバイスにおける構造制御とテラヘルツ波リアクタの試作
3、バイオセラミックス微粒子造形を用いた代謝型機能を有する人工骨インプラントの形成
4、軽合金を用いた制御多孔構造の微粒子造形と部材軽量化による環境負荷低減効果の検証
5、ナノ微粒子溶射プロセスのアディティブ・マニュファクチャリング手法への応用検討
6、微粒子溶射を用いた燃料電池モジュールにおける固体電解質セラミックスの緻密膜形成
7、熱交換器部材に対するセラミックス微粒子溶射による高熱伝導性と高温耐食性の両立
8、積層焼成過程による低温安定相を有する機能性皮膜の高速形成と実用部材への応用

レーザ走査方式の光造形アディティブ・マニュファクチャリングによる微細構造を包含する実用部材の作製

パターン露光方式の光造形アディティブ・マニュファクチャリングによるマイクロ機能性構造体の作製

微粒子ペーストを用いた溶射法とナノ/マイクロ構造を有する金属ならびにセラミック積層組織の形成
造形機構学分野
金属積層造形法による3次元複雑形状部材の品質向上において、金属粉末の溶融凝固現象と繰り返される熱影響に基づく造形機構の理解を通じ、造形材の結晶集合組織制御に資する合金設計やプロセス最適化に関する基礎学理の構築が必要である。そこで本分野では、レーザを熱源とした金属積層造形法の一つである選択的レーザ溶融法を用いて創製する金属材料において、超急冷凝固現象に起因する微細結晶組織や過飽和固溶体などの特異な組織形成に係る造形機構を理解し、これらの組織が支配する積層造形体の力学挙動のマルチスケールでの解析を遂行する。
1、選択的レーザ溶融チタン合金における特異な結晶集合組織の形成機構解明
2、SLM法を用いた高強度金属基複合材料の創製
3、SLM過程でのバルクアロイングによるチタン合金の強化機構解明
4、Gyroid多孔質構造金属材料の変形挙動解析と衝撃エネルギー吸収性能評価

金属積層造形法を用いたチタン材の持続可能な合金設計ー廉価なユビキタス元素・Fe(β相安定化元素)を利用したα/α’複合組織の超微細化による高強度-高延性バランスの発現
レーザ造形学分野
本研究分野では、レーザを用いた3D造形プロセスに関する基礎研究およびレーザ3D造形装置開発を実施している。特に、銅等の金属材料の安定かつ高効率溶融を可能とする青色半導体レーザに着目し、当レーザを搭載した3D造形装置を開発している。さらに、高品質かつ高速3D造形を実現するために、レーザ照射による材料の溶融および凝固プロセスの解析を実験的かつ理論的に進める。得られた知見を活用し、革新的な3D造形プロセス創出および装置開発に取り組むとともに、それらの社会実装を推進して行く。
1、青色レーザによるレーザ金属積層造形法の開発
2、レーザ金属積層造形法におけるレーザと粉末の相互作用の解明
3、青色レーザを用いたレーザ金属堆積法の開発と機能性コーティング法の開発
4、LAMプロセスにおけるレーザ溶融凝固現象の解明

青色半導体レーザを用いた純銅のコーティングおよび積層造形
(a)青色半導体レーザによる3Dロッドの造形
(b)銅合金皮膜の形成
(c)純銅の積層造形
(d)銅の積層造形(3Dプリンター)
先端造形学分野
メンバー

教授(兼任)

教授(兼任)
中野 貴由

教授(招へい)
MURPHY ANTHONY B

教授(招へい)
GOODRIDGE RUTH

教授(招へい)
GOECKE SVEN-FRITHJOF

教授(招へい)
山本 元道

教授(招へい)
西脇 眞二

教授(招へい)
吉田 誠
先端造形学分野では、アディティブマニュファクチャリングに関する著名な研究者を国内外より招へいしている。主たる活動目標は、卓越した科学知見や優れた実践技術を接合科学研究所へ導入するとともに、次世代の当該領域を牽引する新しいプロセスを共に構築することである。積層造形に用いる素材としては、特殊合金を含む各種金属だけでなく、機能性セラミックを含む無機材料など、幅広い範囲を検討し選定している。さらに、プロセスの核となる溶接接合としては、レーザー·アーク·プラズマなどの熱源による溶融凝固をはじめ、粉体焼結や重合効果などの固相接合や化学接合も取り入れている。
1、積層造形における先進設計
2、材料素材ならびに製造工程の評価
3、異種材料ならびに複合工程の利用
4、品質保証ならびに規格標準のデータベース化
5、積層造形部材の次世代展開
6、粉末床溶融結合法/粉末焼結造形法
7、容器式光重合法/基板式光造形法
8、薄膜積層造形法/薄層堆積造形法
9、溶融物押出法/溶融物堆積法
10、結合剤噴射法/立体印刷法
11、液層滴下法/液相噴射法

ウエットプロセスによるSOFCカソード膜並びにアノード膜の創製

ドライプロセスによるリチウムイオン電池用傾斜組成正極粒子の創製