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研究所について

ご挨拶

ご挨拶

大阪大学 接合科学研究所 所長
藤井 英俊

 本研究所では、「接合プロセス」、「接合機構」、「接合評価」の3研究部門が「溶接・接合」の圧倒的な強みとなってその基盤研究を行い、また、「多次元造形研究センター」が接合科学の未来を探る役割を担うことにより、3研究部門とセンターが個々の専門性を発揮しつつ相互が有機的に連繋し、溶接・接合技術のイノベーション創出を通して、人類社会に貢献することを目指しています。他方、接合科学共同利用・共同研究拠点として、国内の国公私立大学などから毎年200名以上の共同研究員を受け入れるとともに、国際共同研究員制度により多くの外国人研究者を受け入れ、活発な国際共同研究を推進しています。他方、人材育成の観点では、協力講座として、毎年、本学工学研究科から100名に及ぶ大学院生と学部生を受け入れ、世界トップレベルの研究活動を通じた高等教育を行っています。

 2021年度よりスタートした「国際・産学連携インヴァースイノベーション材料創出プロジェクト-DEJI2MAプロジェクト-」事業は、多様な社会的要望や地球規模課題を「コア出島」で課題設計し、6大学6研究所の専門性の垣根を越えた「マルチ出島」を通じてイノベーション創出を加速します。6大学6研究所の力(シーズ)を結集し、企業等のニーズ応え、社会実装を迅速化するものです。

 本研究所は、スピード感をもって時代の社会ニーズに対応できる良さがあります。時代の潮流に合わせながらも特色を活かした変革を遂げる。接合科学研究所の次の50年もそのような姿勢で臨みたいと考えています。例えば、2022年4月に附属スマートプロセス研究センターを「多次元造形研究センター」に改組・改称しました。当研究センターに関しては、1号館の改修が文部科学省への概算要求で認められ、2024年度に完了します。接合科学研究所は、積層造形の研究に関しては、既に25年の歴史があり、当該分野において我が国並びに世界をリードしていく立場にあると自負しています。本年度は、上述の改修に合わせる形で、日本溶接協会と協力して、AMプラットフォームを構築する予定にしています。当該プラットフォームでは、AMに関するデータベースの構築、規格、認証を一体として行います。

 現在、本研究所では3つの協働研究所と1つの共同研究部門を設置し、溶接・接合に関わる産学共創の拠点にもなっています。2024年3月に設置して頂いた、Honda-大阪大学 接合科学ものづくり協働研究所は、本田技研工業株式会社が全国の大学に始めて設置する協働研究所、共同研究部門と伺っております。このように本研究所は、その規模に比べて圧倒的な協働研究所、共同研究部門の数を誇ります。

 今後も、接合学研究所は21世紀の人類社会のニーズに応え、22世紀に輝くグローバル社会を夢見て、溶接・接合分野の世界研究拠点として健全で豊かな人類の繁栄と発展に資するべく、所員一同努力していく所存であります。

 皆様のご支援・ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。