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研究所について

ご挨拶

ご挨拶

大阪大学 接合科学研究所 所長
藤井 英俊

 本研究所では、「接合プロセス」、「接合機構」、「接合評価」の3研究部門が「接合科学」の圧倒的な強みとなってその基盤研究を行い、「多次元造形研究センター」が次世代AMセンターとして、AM(3Dプリンティング)の未来を探る役割を担っています。3研究部門とセンターが個々の専門性を発揮しつつ相互が有機的に連繋し、接合科学のイノベーション創出を通して、人類社会に貢献することを目指しています。他方、接合科学共同利用・共同研究拠点として、国内の国公私立大学などから毎年200名以上の共同研究員を受け入れるとともに、国際共同研究員制度により多くの外国人研究者を受け入れ、活発な国際共同研究を推進しています。人材育成の観点では、協力講座として、毎年、本学工学研究科から100名に及ぶ大学院生と学部生を受け入れ、世界トップレベルの研究活動を通じた高等教育を行っています。

 2021年度よりスタートした「国際・産学連携インヴァースイノベーション材料創出プロジェクト-DEJI2MAプロジェクト-」事業は、多様な社会的要望や地球規模課題を「コア出島」で課題設計し、5大学6研究所の専門性の垣根を越えた「マルチ出島」を通じてイノベーション創出を加速します。5大学6研究所の力(シーズ)を結集し、企業等のニーズ応え、社会実装を迅速化するものです。

 本研究所は、スピード感をもって時代の社会ニーズに対応できる良さがあります。時代の潮流に合わせながらも特色を活かした変革を遂げる姿勢で臨みたいと考えています。例えば昨年度は、文部科学省の支援を頂いて多次元造形研究センター1号館を大幅に改修し、オープンラボ化することで、大型の国プロの実施や日本溶接協会とのコラボレーションを実現致しました。経済産業省経済安全保障重要技術育成プログラムにおいては、大学からは2大学(研究機関)が採択されましたが、弊所は30年間以上当該技術を先導してきた研究力を生かして、鋳型のAMを担う早稲田大学材料技術研究所との連携を行いつつ、当該分野において、これまで以上に我が国並びに世界を先導して行きたいと考えています。加えて、日本溶接協会と協力して、AMプラットフォームを構築致しました。当該プラットフォームでは、AM(3Dプリンティング)に関するデータベースの構築、規格、認証を一体として行う、日本で唯一の世界認証(教育)機関としての役割を果たします。これらに関しては、我が国の国力を向上させるためにも、当該分野に従事される企業や中立機関との連携が不可欠です。ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 現在、本研究所では3つの協働研究所と1つの共同研究部門を設置し、溶接・接合に関わる産学共創の拠点にもなっています。ダイヘン溶接・接合協働研究所、日本製鉄ものづくり未来協同研究所、Honda-大阪大学 接合科学ものづくり協働研究所と異なる分野からそれぞれ分野を代表する企業に協働研究所を設置して頂いていることは、私共の誇りであります。今年度は、昨年度の多次元造形センター1号館の改修に続き、経済産業省のご支援いただいて、多次元造形センター2号館を改修いたします。この改修に伴い、2号館ではAM(3Dプリンティング)に加え、接合分離統合技術、月面都市開発研究を行う予定にしております。

 接合学研究所は、今後も21世紀の人類社会のニーズに応え、22世紀に輝くグローバル社会を夢見て、接合科学の世界研究拠点として健全で豊かな人類の繁栄と発展に資するべく、所員一同努力していく所存であります。 皆様のご支援・ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。