本分野では本研究所が緊急課題として取り組もうとしている再帰循環型創出・廃棄過程
の工学研究に生物の各種能力と作用をコントロールし, 応用する立場で研究を行う.
したがって微生物災害の原因, 対策などに関する研究に止まらず, 生物の能力, 作用を
積極的に利用する工学技術に関する研究へも重点を置く.
主として各種ステンレス鋼や銅およびその合金の母材や溶接接合部での微生物腐食に
ついての研究を実施したが, その中で各々の微生物が金属に対してもつ能力や特殊な反応性
に大きな差があることが明確になり, 微生物のそのような能力・作用を引き出し,有効利用を
考えることが今後, この研究分野のキーポイントになるであろうと考えられる.
生物応用の加工工程が工業製品の造出過程に応用されている例は未だ少ないが, 熱エネルギー
の投入量は少なくてすみ, 環境調和型の加工プロセスの一つであり, 今後の展開が期待されている.
しかし, この手法は長時間を要しており, 微生物の遺伝子操作による改良など課題は多い.
今後の材料工学・材料加工学へ応用生物工学的なツールを導入し, 異研究分野を融合させ,
従来にない研究界面を創造し, それらの研究者間のネットワーク作りをしたい. その結果,
新しい境界領域の研究を開拓できるものと期待されている.
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